1/1の日記

昔に比べたら復活したけど、まだやる気が十分に出ない年明け。喪中なので普段と変わらない1日を過ごしてる。

「悔いのない決断をしていく年」を今年の目標にしようと思う。就活とか修論とか今後の人生に影響しそうなイベントが多いし。

あと、味覚の記事とか論文探していたらたら面白い記事見つけた。

sekatsu-kagaku.sub.jp

タメになったことや面白いことのメモ

甘みに関して

スクロースは温度変化に関わらず、甘味が安定しています。これは、調理において優れた特性であり、また甘味の質が良いことも、古くから甘味料として最もよく使用されている理由となっています。私たちはスクロースの甘味に慣れているので、一般的にスクロースと甘味の質に差異が感じられるとき、「クセのある甘味」と表現されます。

 

キシリトールは、ガムや歯磨き粉などに配合され、口腔内で酸発酵されず、しかも一般に虫歯菌として知られる「ミュータンス菌」の代謝を阻害することで、虫歯になりにくくする効果があります。ただし、キシリトールは虫歯の「予防効果」はあるものの、「治療効果」はないので、キシリトールで虫歯が治るということはありません。

 

サッカリン」の名で発売します。スクロースの300倍も甘く、体内で吸収されないので、カロリーはほとんどないという、夢のような甘味料

酸味

梅干などの酸味の強い食べ物を食べると、唾液が大量に分泌されますが、これにはきちんとした理由があります。唾液には、炭酸水素イオンHCO3-などのイオンが含まれており、唾液は、酸性を弱める「緩衝液」になっているのです。そのため、酸を含んだ食べ物を食べると、唾液が大量に分泌され、唾液の緩衝作用により、中和反応が進行して、酸味が和らぐのです。

苦み

子供の嫌いな野菜の代表と言えばピーマンですが、ピーマンの苦味も、「アトロピン」と呼ばれるアルカロイドが原因であるといわれています。ただし、ピーマンに含まれるアトロピンは微量なので、普通に食べる分には、何も心配する必要はありません。つまり、子供のピーマン嫌いは、動物としては自然な反応であり、苦味は、「毒を予測するセンサー」でもあったのです。
実際にそういう役割もあり、苦味を感じる舌の感度は、甘味の1,000倍以上です。しかし、コーヒーや魚の内蔵などの苦味を持つ食品を愛好する人も多く、適度な苦味は、逆においしいと親しまれる場合もあります。これは、人間が成長して経験を積むとともに、苦くても毒ではないと、学習できるからだと考えられます。苦い食べ物が苦手な人でも、訓練すれば、食べられるかもしれません。

 

仕事終わりに飲むビールは、特においしく感じます。これには、実は科学的な理由があります。仕事などでストレスがかかると、苦味を抑制する物質が、唾液中に分泌されるからです。それ故に、通常では「苦い」と敬遠するような食物でも、仕事終わりでは、おいしく食べられるようになるのです。

旨み

うま味物質の中には、毒性のあるものもあり、ベニテングタケイボテングタケなどのキノコに含まれる「イボテン酸」は、グルタミン酸よりも一層強いうま味を感じさせますが、中枢神経系に存在するグルタミン酸受容体に作用して、強い毒性を示します。食べ過ぎなければ死ぬことはないので、裂いて火に炙り、醤油を付けて食べたり、天ぷらにして食べたりする人もいるようです。イボテン酸を含むキノコは、うま味調味料を振りかけたような食味で、非常に美味であるといわれています。しかし、10本程度で酒乱状態になり、手足が引きつって幻覚を見るというので、知識のない人は食べない方が無難でしょう。

 

スカンジナビア半島北部からコラ半島に至るラップランドの牧夫たちも、トナカイを集めるときには、粉々に砕いたベニテングタケをばら撒きました。面白いことに、ラップランドの文化には、空を飛ぶトナカイの物語がたくさんあります。恐らく、ここからサンタクロースの寓話が生まれたのでしょう。トナカイの餌を試食した牧夫たちが、トナカイの群れが空高く飛んで行くような幻覚を見たのかもしれません。

 

ちなみに、グルタミン酸を単量体として、グルタミン酸がいくつもつながった重合体のことを「ポリグルタミン酸」といいます。この物質は、納豆の粘質物の主成分であることが知られています。農林水産省食品総合研究所が行った実験によると、納豆に含まれる「遊離アミノ酸」の量は、かき混ぜる回数が多いほど、増加することが分かったそうです。ただし、遊離アミノ酸の量は、かき混ぜる回数が300回になったところでピークとなり、それ以上ではかき混ぜても、遊離アミノ酸の量はほとんど変わらなかったそうです。これは、納豆をかき混ぜることで、納豆に含まれるタンパク質分解酵素である「プロテアーゼ」によるポグルタミン酸加水分解反応が進行し、「グルタミン酸」が遊離するようになるからだと考えられます。また、納豆に含まれる遊離グルタミン酸の量は、保存期間が長くなるほど多くなり、納豆は製造日直後よりも、賞味期限切れ間近に食べる方がうま味が強いそうです。

味蕾

エドウィン・ボーリングの提唱した「味覚地図」は誤りだった

 

舌は、場所によって感じる味が違うことはなく、舌全体ですべての味を感じています。味覚を感じるのは、私たちの舌の上にある乳首の形をした3種類の「乳頭(有郭乳頭、葉状乳頭、茸状乳頭)」です。乳頭は舌だけではなく、喉や軟口蓋にも存在しており、ビールや水などの喉越しのうまさは、この部分で感じることが分かっています。乳頭のそれぞれには、細長い形態の「味細胞」が多数密着して蕾状になった「味蕾細胞」があり、食べ物を口に入れて噛むと、咀嚼運動によって味分子は唾液中に溶解し、それが味蕾細胞の「受容体」に結合することで、脳に味覚情報が伝わって、味を感じると考えられています。味分子の溶解性が悪い場合は、味を感じにくくなり、後味が強くなる原因となります。

5基本味のうち、甘味とうま味には、それぞれに対応した専用の「受容体」があり、塩味と酸味は、イオンが「イオンチャネル」を通過することによって、味を感じます。うま味受容体には、「mGluR4」や「T1R1/T1R3」などがあり、甘味受容体には、「T1R2」や「T1R3」があります。甘味の受容体は、どちらも「T1R」という受容体のグループに属しますが、興味深いことに、同じグループの「T1R1」と「T1R3」が組み合わさると、うま味受容体として働くことが分かっています。

一方で、苦味の受容体は、「T2R」という受容体のグループに属しています。「T1R」は3種類(T1R1~T1R3)しか発見されていませんが、この「T2R」は、ヒトでは25種類も存在していることが分かっています。苦味に関しては、受容体が受け取る物質が少しずつ違っていて、それぞれの比率によって、私たちの脳が「これはちょっと苦い」とか「先程とは別の苦味だ」とか「コーヒーの苦味だ」といった風に感じているのです。この25種類の受容体で、多様な構造の毒物の苦味をもらさず検出して、身を守っているものと考えられています。ちなみに、ブロッコリーの苦味に関しては、ある1種類の受容体「T2R38」が受け取るということが判明しています。この遺伝子を調べると、人によって苦味の感じ方が、ハッキリと違うことが分かります。ブロッコリーを非常に苦く感じる人とあまり苦く感じない人とでは、その遺伝子の配列が違っているのです。例えば、日本人の場合では、ブロッコリーを非常に苦く感じる人が、10%くらいいるといわれています。つまり、そうした遺伝子を持った子供が、「ブロッコリー嫌い」になるということになります。

 

胃にもうま味受容体があることが判明しています。胃には、脳神経の1つである「迷走神経」が延びています。この迷走神経は、グルタミン酸のような「うま味物質」だけに反応します。つまり、おいしいものを食べると、胃でもうま味をキャッチし、脳にその情報が伝わります。その結果、脳からの指令によって、胃液や膵液などの分泌が促進され、食物の消化が進みます。胃から脳への情報伝達の役割を果たしたグルタミン酸の約95%は、小腸でエネルギー源として使われます。うま味の強いおいしいものを食べることは、食物の消化を促してくれる面もある訳です。

旨み調味料

うま味物質の中でも、一番有名なのは、アミノ酸の一種である「グルタミン酸」です。味の素は、グルタミン酸のナトリウム塩である「グルタミン酸ナトリウム」が主成分(97.5wt%)であり、ほぼ純粋なグルタミン酸ナトリウムと考えることができます。味の素の残りの成分(2.5wt%)は、「イノシン酸」や「グアニル酸」などの核酸系なので、味の素はその成分すべてがうま味物質であるということができます。

なお、うま味には「相乗効果」があり、グルタミン酸ナトリウムイノシン酸ナトリウムをごく少量加えるだけで、そのうま味が飛躍的に増すことが知られています。

うま味1の昆布とうま味1の鰹節を合わせると、その出汁のうま味は8倍にもなるといいます。

 

ほとんどのうま味調味料で使われているグルタミン酸は「ナトリウム塩」ですが、わざわざ「ナトリウム塩」にしている理由は、グルタミン酸のままでは、「うま味」の他に「酸味」も感じてしまうからです。

グルタミン酸は、「カルボキシル基(-COOH)」を持つため、水素イオンH+ を電離して、酸味を感じさせてしまいます。したがって、グルタミン酸をナトリウム塩にすることによって酸味を消し、グルタミン酸のうま味を、最大限に引き出しているのです。しかし、ナトリウム塩にすると、塩味も出てしまうのではないかと思う人もいるかもしれません。確かに、グルタミン酸はナトリウム塩にすると、電離するナトリウムイオンNa+ によって、塩味も出てしまいます。しかし、塩味とうま味の相性は、抜群に良いことが分かっているので、ナトリウム塩でも、調味料として成立しているのです。実際に、味の素をそのまま舐めたことがある人は分かると思いますが、味の素には、食塩は一切含まれていないはずなのに、ほんのり塩味がすると思います。これは、味の素に含まれるナトリウムイオンNa+ の影響であると考えられます。

グルタミン酸ナトリウム(MSG)

グルタミン酸ナトリウム」は、英語だと「Monosodium Glutamate」と発音し、食品業界では、頭文字を取って「MSG」と呼んでいます。また、グルタミン酸アミノ酸なので、「調味料(アミノ酸)」と表記されることも多いです。

 

グルタミン酸ナトリウムを料理に添加するとき、グルタミン酸ナトリウムは多ければ多いほどうまいと、食塩のようにダバダバと振り掛ける人がいます。しかし、それは間違っています。一般的にあらゆる感覚の強さは、与えられた刺激の強さに比例しないのです。これを心理学では、「スティーヴンスのべき法則」といい、次式のように表せます。


ここで、Sは物理的刺激量、Rは刺激による心理的定量(感覚量)、nは刺激の種類によって定まる指数で、kは刺激の種類と使用する単位によって決まる比例定数です。スティーヴンスの論文によると、「電気ショック」ではn=3.5、「冷たさ」ではn=1.7、「長さの見た目」ではn=1、「暑さ」ではn=0.7、「明るさ」ではn=0.5になることが分かっています。「味覚」の場合は、nが1より小さくなることが多く、そのために、料理で加える調味料を増やしていっても、感覚量は必ずしも比例せず、ある感覚量に収束していきます。特に「うま味」は、他の味覚よりも値が小さく、大量に摂取しても、感覚量が増加しにくいのです。

感じないからといって取り過ぎると塩分過多になる恐れがある。

 

これから毎日日記を書いていこうと思う。

今年も1年よろしくお願いします!